どら焼きの定義


 以前「そもそもどら焼きの定義ってなんだ?」となった時に簡単にまとめたものです。
 熱心に掘り下げた訳じゃないのですごく簡単な感じです。あらかじめその点ご了承ください。
結論
「特に厳密な定義はなく、パンケーキ状の生地に何かを挟み、作った人が『これはどら焼きです』と言えばどら焼き」


以下結論に至るまでの根拠です。無駄に長いので暇つぶしにどうぞ。


動機
・どら焼きの記録をつける際、思いの他バリエーションに富んでいることに気付いた為
・どら焼きと名乗っている商品とホットケーキサンド等と名乗っている商品の差異が分からないことがあった為

尚、今回の件においてパンケーキはホットケーキと同じものとみなし、記録上の記載名称を転記している場合を除きホットケーキで名称を統一する。


どら焼きとは
 焼き菓子の一種。
 小麦粉に卵・砂糖を加えて混ぜた生地を丸く焼いた皮に餡を挟んだもの。

 皮に関しては「ホットケーキ状の皮に~」「カステラ状の皮に~」と書いてある場合も多く、各店のこだわりを除けばホットケーキ等とどら焼きの皮に材料や定義上の違いはないと思われる。
 また、現在のどら焼きはホットケーキの影響を強く受けており、戦後しばらくまではどら焼きとホットケーキが混同されることもあった。
 餡を包む皮に関しては必ずしも二枚の皮で挟む必要はないが、二枚の皮で挟むのが基本であるという共通認識は存在する。
∴小麦粉等で作成した生地に餡を挟み「これはどら焼きである」とすればどら焼きと称して問題はない

∵ホットケーキサンド等の名称になっている商品と定義的な差異はない

 では挟む餡に定義はあるのか?
餡とは
 1.アズキ・インゲンなどの豆やサツマイモ、栗などを煮てつぶし、砂糖や塩を入れ、さらに加熱して練ったもの。菓子・汁粉などに使う。
 2.なにがしかの食材の中に入れる具材のこと。

 和菓子等に使われる所謂「餡子」と呼ばれる餡は1.に該当する狭義の餡であるが、皮に挟んでしまえば2.の広義の餡に該当することになる為、何を皮に挟んでもどら焼きとすることが出来る。


 以上で「どら焼き」の定義に関する疑問は解消されたが、どら焼きの派生である「生どら焼き」に関しても定義が存在するのか疑問が生じたので調査した。
生どら焼きとは
 餡に生クリームが使用されていれば良い様子。
 生クリームが入っていなくても「生どら焼き」と商品名をつけているメーカーもある。(観測範囲ではその場合は生のフルーツ等、他の「生」を使用している。)

こちらも厳密な定義は存在していない模様。
但し発祥はしっかりしており、宮城県の『カトーマロニエ(現 カラベル)』という店の「生どら」という商品で1987年2月25日に誕生。現在も「元祖生どら」という商品名で販売されている。

どら焼きの起源について
 発祥時期や場所についてはっきりしていない。
 ・形が銅鑼に似ていることから
 ・銅鑼を熱して焼いたことから
  ・武蔵坊弁慶が怪我の介抱のお礼に銅鑼で作った
  ・武蔵坊弁慶が怪我の介抱のお礼に贈った銅鑼で(贈られた家の者が)作った
 等諸説あり

 名称の「どら焼き」に楽器の銅鑼が関わってる可能性が高い。
 弁慶が関わっているとなると800年程前から存在することになるが、当時塩や砂糖は高級品だった事を考慮すると、そういった行動をしたことが事実だとしても作成したどら焼きは現行のどら焼きと同じような物ではないと推察される。
 
文献等が残っている範囲でのどら焼きについて
 ・江戸時代、紙のように薄い皮にあんこを載せ皮の端を折りたたんだ助惣焼という菓子があり、この菓子の別名がどら焼きであった。その為どら焼きの元祖は助惣焼であるとする説がある。
 ・明治期に東京の『梅花亭』が生地1枚の中に餡が入っている状態のどら焼きを考案、平成10年に復刻し現在も販売している。また、梅花亭には「みかさやま」という青えんどうの餡を上下から生地で挟んだものもある(形状は今のどら焼きとは異なる)。
 ・現在のどら焼きの形になったのは大正の頃と言われている。東京 上野の『うさぎや』が考案したとされる。
 ・京都の『笹屋伊織』では、鉄板の代わりに銅鑼を用いて生地を焼いたことに由来するどら焼き(現在も購入可能)があるが、形状はパウムクーヘンの中央に餡子が入ったようなもので、他とは形状が大きく異なる。

 梅花亭の「みかさやま」は奈良の若草山を思って作った和菓子だが、関西ではどら焼きのことを奈良県の三笠山の形状に例えて「三笠」「三笠山」「三笠焼」という。
 現在の形状に近いものを「どら焼き」「三笠山」として日本で最初に売ったのが梅花亭、ほぼ現状の形のものを最初に売ったのがうさぎや、ということのよう。
 
 また、現在のどら焼きに影響を及ぼしたとされるホットケーキの日本における歴史も概要を記載しておく。
1884(明治17)年:『百科全書』(文部省翻訳)でパンケーキ(訳語:薄餅)の作り方が紹介される。
1904(明治37)年:『常磐西洋料理』(常盤社)で「パンケーク」のレシピが記載。
1923(大正12)年:東京 日本橋のデパート食堂で「ハットケーキ」が実際に提供され始める。
1931(昭和6)年:ホーム食品から日本で初めて「ホットケーキの素」が発売される。
1950年代(昭和30年代中頃)以降:砂糖を混ぜたホットケーキミックスが発売され、次第に人気が出て定着していく。

 時期を考慮すると恐らくどら焼きが直接影響を受けたのは「ハットケーキ」であると推察される。


 4月4日がどら焼きの日として日本記念日協会に認定されている。
 また、この日は餡子の日でもある。
 
 
参考
『日本の食文化史年表』(吉川弘文館)
『和菓子の辞典』(東京堂出版)
『たべもの起源事典 日本編』(筑摩書房)
梅花亭 - 梅花亭の歴史 https://www.baikatei.asia/history
うさぎや http://www.ueno-usagiya.jp/
笹屋伊織 - 代表銘菓 どら焼き https://www.sasayaiori.com/dorayaki/
カラベル公式サイト https://kato-marronnier.com/
日本プレミックス協会 - プレミックスの歴史 http://www.premix.org/wonderful/history2...

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