仲良しナイトメア - 1/3

 口は悪いながらも何だかんだで面倒見の良い青年は、アドリビドムで出会った仲間の中でも比較的よく話をする方だ。
 意外に思われもするが、放っておけない友人や剣について等共通の話題も少なく無く、また妙にウマが合った。
 そんなこんなで、共に依頼をこなしながら話をしている中で出た質問に深く考える事もなく答えを返したのだが、それが衝撃だったらしい。
 答えを聞いた青年は今、唖然とした表情をして固まっている。
「どうした、スパーダ?」
「どうしたもこうしたも」
 マジで?と聞かれたので、マジだ。と返す。すると彼は、マジかよ…と呟きながらその場に立ち尽くした。
「そんなに意外か?…まあ、確かに男同士だしなぁ」
「問題はそこじゃねぇよ」
 質問というのは恋人は居るのかという何の変哲もない内容だった。
 恋人がいることも相手がジェイドだということも公言してはいないが、別段隠している訳でもない。相手によってははぐらかしたりもしただろうが、スパーダなら構わないだろうと思い素直に答えたのだ。そして今に至る。
「悪い事は言わねぇ、アイツだけは止めとけ」
 あまりに真剣な顔でそう言うものだから、つい吹き出してしまう。
「笑ってんじゃねぇよ!」
「ああ、悪い悪い…。あんまり真剣だからついな」
「何で真剣だと笑うんだよ…」
 全身からもうイヤだと言わんばかりのオーラを出しているスパーダを見て、フォローをする。
「いや、嫌われてるなぁと思ってな。アレで結構良いところもあるんだぜ」
「陰険鬼畜眼鏡な所しか見たことねぇよ」
 言われてみれば、此処に来てからのジェイドは悪ふざけをし通しな気がする。それも表面上のものなのだが、そうと理解しているのはこの船でも数人くらいだろう。
「まあ性格が悪いのは否定しないけど」
「しねぇのかよ」
 ジェイドの性格がよろしくないのは周知の事実であり、本人も認めている所である。
 それを分かった上で恋人をしているのだから、自分も大概酔狂ではあるのだろうか。
「…まあ、お前がジェイドの恋人だってのはよく分かった」
 何故だという意味を込めて見やると、視線が意図することを理解したらしいスパーダが口を開く。
「お前も結構性格悪い」
「なんだ、今更気付いたのか?」
 そう返すと、哀れな年下の青年は心底うんざりした表情をした。